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北極振動」で暑さを予測
三重大の気象学研究グループが、前年冬の「
北極振動」から次の夏の暑さを、予測できるという研究成果をまとめました。
同大の教授によると、今夏は10年のような猛暑にはならないと予測できるそうです。
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北極振動」とは、北極を中心とする北半球の気圧分布の変動を示しています。
北極振動は大まかに二つに分けられます。一つは正の
北極振動―北極上空に低気圧が発達し、周囲を高気圧が囲んでいる状態。
もう一つは負の
北極振動―北極上空が高気圧に覆われ、周りを低気圧が囲んでいる状態です。「正」の北極振動であれば日本は暖かくなり、「負」の場合は寒くなる等、北極の気圧分布は地球規模の気候に大きな影響を与えているようです。
研究グループは約10年前から正と負の推移について、ほぼ毎日解析を進めてきました。異常な猛暑を記録した10年夏は、09年11月~10年3月の5か月間、負の状態が続いていました。
研究グループは、負の状態が数か月間継続すると大西洋の水温が高くなって、海面により温められた大気が偏西風に乗るなどして、日本を猛暑にするという経過を突き止めました。
昨冬の北極振動は、負が続かなかった上、今年5月の大西洋の海面水温も平年通りだったため、10年ほどの猛暑は考えにくいそうです。
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